「債務」とは、ひらたく言えば「借金」のことです。
借りた側からみると借金ですが、貸した側からみると貸金です。
借金(債務)に対して、貸金のことを法律用語では「債務」といい、借りた人を「債務者」、貸した人を「債権者」といいます。
弁護士が行っている「債務整理」とは、借金の返済が思うように行えず、日々苦しんでいる債務者に対し、救済の道を明らかにして、それを実行するということです。
借金の返済で苦しむというのは、ふつう「収入が足りなくて、返済が追いつかない」という状態をいいます。
しかし、債権者である銀行や貸金業者もバカではないので、お金を貸す時点で返済不可能なスケジュールを設定することはないのです。
彼らは、収入から見て返済に無理のない額のお金を貸しています。
その判断基準が業者によって異なることはあるのですが、無制限ということはありません。
貸し金が回収できなくなれば、最終的に泣きを見るのは債権者の方だからです。
では、どのようにして返済不可能な状態に陥るのでしょう。
それは、お金を借りた時点から現在までに、次のような変化が起きたからです。
①一時的に返済が滞っている間に、利率の高い遅延損害金で借金が膨大な額に増えた。
②一つの業者なら返せるが、複数の業者からお金を借りてしまい、合計金額が収入と釣り合わなくなった。
③リストラや不景気や病気によって収入が減った。
①は借金の怖さをよく分かっていない人にありがちです。
たとえ金利が低くても、長期間借りれば返済額は大きくなってしまいます。
②は多重債務の状態です。
③は自己責任のように見えますが、本来は政治によって救済すべきであるのに、放置されているのが現状です。